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2025年6月17日

【生成AI】Difyのエージェントノードの試行

Dify v1.0.0で新たに追加された「エージェントノード」機能を使って、旅行計画アプリを試作しました。今回はその概要と実際の動作をご紹介します。

Difyとは?
Difyは、ノーコードでAIアプリを構築できるプラットフォームです。「ノード」と呼ばれる要素を組み合わせることで、プログラミングの知識がなくてもアプリ開発が可能です。また、大規模言語モデル(LLM)の活用に加え、RAG(検索拡張生成)対応のナレッジベースや、API連携を行うためのツール機能も備えています。

AIエージェントとは?
AIエージェントは、複雑なタスクに対して自律的に判断・行動し、課題を解決する仕組みです。タスクの分解や目標設定、ツールの選定まで自動で行い、人の手を借りずに処理を進められます。Difyでは、こうしたAIエージェントを活用した対話型アプリの構築が可能です。

エージェントノードの特長
今回のアップデートで登場した「エージェントノード」を使えば、ツール選択やデータ整形などもAIに任せることができ、より高度なアプリケーションも手軽に構築できます。また、複数のエージェントを組み合わせることで、AI同士が連携しながら処理を進めるような構成も実現可能です。

旅行計画作成アプリを構築

実際に、エージェントノードを使って「旅行計画を立てるチャットアプリ」を作成してみました。

構成内容:
・チャット形式のインターフェース
・Web検索対応のAIエージェントノード
・思考戦略にReAct、ツールとしてBraveSearchを使用

実際のエージェントの動作
旅行先のイメージをざっくりと伝えると、エージェントは要望に合った提案を2段階で行ってくれました。
質問の意図を分析し、Web検索を実行
検索結果をもとに最終的な回答を生成
簡単な指示でも、エージェントが自律的に推論し、適切にツールを活用していることが確認できました。

複雑な問い合わせへの対応
次に、「旅程の提案に加えて、交通手段・宿泊先・費用も含めて提案してほしい」という複雑な問い合わせをしてみました。

エージェントは以下の4フェーズで処理を行いました。

①交通手段に関する検索
②宿泊施設と料金に関する検索
③航空機による移動に関する検索
④各検索結果を統合し、最終回答を生成

それぞれの情報を段階的に収集し、最終的には一貫性のある提案を生成してくれました。タスクの分解と情報の統合を自動で実行できる点が、大きな強みといえます。

まとめ
Dify v1.0.0で追加されたエージェントノードは、より柔軟かつ高度なAIアプリ開発を可能にする強力な機能です。
今回の旅行計画アプリのように、ユーザーの曖昧な要望に対しても、情報収集からタスク分解、回答生成までを自動でこなすことができます。さらに、複数エージェントの連携によって、処理の専門化や最適化といった構成も実現可能です。
今後もDifyを活用しながら、業務支援やサービス構築に役立つAIアプリケーションの可能性を探っていきたいと思います。