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2024年8月16日

「日本で最も美しい村」連合 研修会(山形県飯豊町)

美しい村を、美しいままに。

山形県飯豊町にて、日本で最も美しい村連合の研修会に参加しました。

 

日本で最も美しい村連合とは・・・

2005年に結成された、農山漁村が自らの町や村に誇りをもって自立し、将来にわたって美しい地域であり続ける為に活動しているNPO法人。

結成当時は平成の大合併で多くの市町村が合併し、美しい景観・価値のある地域資源を持つ小さな村の存続が難しくなった時期です。

後世にも美しい村を、美しいまま残そうと7つの町村からスタートしました。

 

今回研修会の舞台となった山形県飯豊町(いいでまち)。

山形県の西南部、最上川の源流部に位置する人口6,000人ほどの町です。

寒暖の差が大きい内陸性の特徴を有した気候で、県内でも有数の豪雪地帯となっています。

米沢牛の約4割は、飯豊町で生産されています。

循環型社会を目指して

多くの自治体で課題になっている地域外への経済流出。

飯豊町でも課題になっており、課題解決のために様々な取り組みをされています。今回はその取り組みを勉強させていただきました。

 

紹介していただいた取り組みは米沢牛の育成を基にした地域経済循環についてです。

米沢牛と言えば日本が誇る高級ブランド和牛のうちの一つ。

 

米沢牛を育成し、その過程で発生する糞尿をバイオガス発電として利用しています。

牛舎では1日に約33tの畜糞が排出されるそう。

これを嫌気発酵させるとメタンが含まれたバイオガスが発生します。このガスを利用し、発電させているのがバイオガス発電。

電気は固定価格買取制度(FIT)を利用して売電し、収入にもなっています。

排熱は原料槽と発酵槽の温めに利用し、冬は融雪に利用。発電後の糞尿のカスは肥料として利用。

今まで処分にお金がかかっていた糞尿を無駄なく活用しています。

 

バイオガス発電を始めるにあたり、牛舎の設計も新しくしたとのこと。

牛舎に隣接する発電所に効率的に糞尿を運べるよう、地下埋設パイプラインを設置。

これにより、糞尿の臭気問題も大幅に改善されました。

 

米沢牛を飼育している企業は売電で利益を得て、近隣住民は臭気問題が改善され、

環境にやさしい電力発電を行い、エネルギーの地産地消を実現。

循環型社会を実現し、双方に良い結果をもたらしています。

村を美しくしようとする人々がいるからこそ美しい村になる

研修会の中で、「最初から美しい村はない。村を美しくしようとする人々がいるからこそ美しい村になる。」という言葉がありました。

美しい村を美しいまま次の世代に残すには、いろいろな取り組みが必要です。

 

美しい村を残すために現状維持をしようとするだけではなく、美しい村を作り上げていく必要性を感じました。

地域科学研究所でも農山漁村を持つ様々な自治体様とお仕事をさせていただいておりますので、

今回の学びを活かし、美しい村を、美しいまま残せるように取り組みを進めていきます。