Action
地域科学の実践
2022年8月16日
大分県日出町にて現地調査
地域科学研究所の目標のひとつである「豊かで活力ある地域づくり」
地域が抱える課題を見つけ出し、解決することが、目標実現のために重要ではないか---。
そう考え、今回私たちは大分県日出町にてフィールドワークを行いました。
糸ヶ浜海岸清掃活動
日出町人気の観光スポットの一つが糸ヶ浜海浜公園。
小さい子どもでも楽しめる海水浴場の他、オートキャンプ場、ログキャビン、テニスコート、野球もできる運動場も備えています。この一箇所でレジャーを満喫できるため、毎年夏の子どもの遊び場として、ファミリー層にも大人気です。
人気スポットなだけあって、定期的に清掃活動も行われています。
しかしながら、一時間程度の清掃でも大きなごみ袋10袋分のごみが回収されました。
分類別では、人工物が大半を占め、プラスチック類の割合が最も高く
特に、養殖カキのパイプが大量に漂着していました。
養殖カキのパイプは海洋プラスチック問題の要因でもあり、世界中に漂流しているため、大きな社会問題となっています。
また、ライターやお菓子の包装、パンの包装なども埋もれており、風や川によって自分たちの家庭ゴミが海へと流れついていることもわかりました。糸ヶ浜は内海ですが、海外のゴミも目立っていました。
海洋ゴミと環境について
清掃活動後は、「日本風景街道」の加藤様より海洋ゴミについてのお話を伺いました。
※日本風景街道とは・・・
国土交通省の取り組みの一つで、日本固有の美しい景観や文化の魅力を活かし、地域活性化・観光振興を発展させることを目的とした取り組み
普段の地域生活でのゴミ排出量を減らし、漂着するゴミの削減に繋げることが重要だと実感しました。
海洋ゴミは私たち一人ひとりの暮らしに密接に関連する問題ということを念頭に、地域から、川から、海から、ゴミを無くすために一人一人の心がけが必要です。
しかしながら、風や川によってゴミ以外にも流木がたくさん漂着します。
魅力ある糸ヶ浜海浜公園を維持するためには、定期的な清掃活動が必要不可欠です。
今回私達も清掃ボランティアを通し、なぜゴミが漂着するのか、ゴミを減らさなければいけない、と環境について考える良い機会となりました。
地域住民と考える「日出町の課題」と今後の取り組み
TRAVELLER'S TREE(流木を使った作品を製作販売をしているショップ)の冨田様と「日出町の課題」についてファシリテーションを行いました。
冨田様は元地域おこし協力隊の一員でもあります。
ファシリテーションテーマの一つとなった課題が「人手不足」
特に農家、漁業などの一次産業については、高齢化が進行し後継者不足となっています。
人手不足は産業や地域コミュニティの衰退に繋がります。
その他にも日出町としてのブランドの統一感不足による全国周知力の低さ、農水産物の利活用がされておらず廃棄物が多いなど、
せっかくの魅力を活かしきれていないという問題点もあります。
今回、冨田様とファシリテーションを行うことで、住民が考える課題について認識することができました。
私たちは今後、行政が抱える問題意識(課題)と住民が考える理想の「まち」を調査、すり合わせしていき、その自治体独自のブランディング、方向性を見出していきます。
そして、住民や行政と一体になって、まちづくりを進めていき、豊かで活力ある地域社会づくりを実践していきます。