地域科学研究所

メニュー

私たちの取り組み

Action

地域科学の実践

地域科学の実践

2022年9月12日

小豆島地域研究プロジェクト(香川県小豆島)

プロジェクトの概要

筑波大学人文地理学研究室&(株)地域科学研究所の共同プロジェクトで

『小豆島における生活文化と地域特性』に関する地域調査を行いました。

 

学生とともに地域研究を行うことで、地域の抱える課題を発見し、

課題解決に向けて取り組んでいきます。

 

 

日時:8/30(火)~9/2(金)3泊4日

1日目:ジェネラルサーベイ(中山千枚田、マルキン醤油記念館、二十四の瞳映画村、寒霞渓山頂など)

2日目~4日目:各班に別れてアンケート調査、聞き取り調査、資料収集、景観観察など

 

参加人数:42名(学類生31名、教員及び大学院生9名、地域科学2名)

調査内容

以下の7つのテーマで調査を行いました。

 

・『アートを巡る観光客の特性』

瀬戸内国際芸術祭を見にきた観光客の観光形態を把握するために、土庄町と連携して街頭アンケートを行いました。

どこから来て、どこを目的地にしているか、訪れることになったきっかけ、SNS投稿の有無などを調査しました。

 

・『小豆島におけるオリーブ関連産業の地域的展開』

小豆島が日本シェア90%を超える、オリーブ産業について調査しました。

小豆島町役場、オリーブ生産者への聞き取りを行ったところ、オリーブ生産を続けていくうえでの大きな課題が浮き彫りになりました。

 

・『アートイベントを通じた地域活性化が住民に与えた影響』

住民にとっての芸術祭の意義を明らかにするために、住民参加の実態を調査しました。

土庄町役場や飲食店へ、芸術祭の運営と住民参加などについて聞き取りを行いました。

 

・『小豆島の宗教ツーリズムをめぐる変化と観光関連組織の対応』

宗教ツーリズムの動向に対応し観光地域がどのように変化してきたのかを把握するため、宿泊施設や寺院などへの聞き取り調査を行いました。宿泊施設への調査からは、既存の遍路客を今後も大切にしていきたいという思いと、学生合宿やレジャー客などの新規宿泊客を呼び込みたいという相反する思いのなかで、経営が多様化している点が明らかになりました。

 

・『瀬戸内海地域における現役世代移住者の移住とその背景』

土庄町企画財政課、地域おこし協力隊の協力を得て、町の仕組みと移住者の移住動機や過程に関するデータを集めました。

現役世代移住者の移住行動とその背景を考察していきます。

 

・『子育て世帯のインフォーマル・サポートの受容』

移住・定住の促進が求められる時代背景の中で、地方圏あるいは離島地域における子育て環境の実態を捉え直す作業が求められつつあります。

 土庄町にお住まいの子育て世帯の皆さんからお話を伺い、育児に対する不安・情報収集・サポート受容に関する土庄町の特色について調査を行ないました。

 

・『離島における観光資源化の展開と特性』

醤の郷の観光地化プロセスを明らかにするために、小豆島醤油協同組合や工場へ聞き取り調査を行いました。

醤油関連商品も味わい、観光地としてのSNS発信についても話し合いました。

調査を終えて

今後の予定としては、本調査の内容をまとめて分析し、3月に「人文地理学研究」として刊行します。

また、土庄町向けに発表会等を行う予定です。

 

今回参加した学生はほとんどが小豆島初体験でした。

「景色もきれいでいいところだった」、「色々なお話が聞けて調査が楽しかった」、「絶対また来ます!」等の言葉も聞くことができました。

大学での研究を通し、小豆島の魅力をPRできる良い機会にもなりました。